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「合ってるようで合ってない!」

 先日、夕食にそばを食べに行きました。

 ここ、〝K〟は値段も手頃でとてもおいしい。

 隣席では、60くらいの男性と30代半ばくらいの女性が、映画トークに興じておりました。

 彼らの話を聞くともなしに聞いていると、女性が「ジャック・スパロウって誰だっけ?」と言いました。

  「ああ、あれでしょ? 『24』の主人公」と、男性。

  「そうだっけ?」と、やや訝る女性でしたが、そのまましばらく〝ジャック・スパロウ〟を主人公に、『24』の話が続きます(『24』の主人公はジャック・バウアー)。
 なんかモヤモヤしながら、親子南蛮そばをすする私。

 しばらくして女性が、「いや、違うよ! ジャック・スパロウはあれだ! 『チャーリーとチョコレート工場』の……」とのたまい、「あっ、社長だね! ジャック社長!」と受ける男性。

 いやいやいや!
 それはウィリー・ウォンカ!
 ウォンカもジャック・スパロウジョニー・デップだけれども!

 この後も二人の会話は正解をかすっては遠ざかり、勝手にイラつく私のそばは伸びてゆくのでした。
 思いあまって、卓上のナプキンに『パイレーツ・オブ・リビアン』と書いて床に落とそうとしたところ、女性がようやく「違う違う! ジャック・スパロウパイレーツ・オブ・カリビアンの海賊だった!」と気づき、私もナプキンを取る手を止めたのです。

 

 なんというか、取れそうで取れないUFOキャッチャーを見ているようでした。

  「ネタバレにならないなら、アカの他人でも助け船を出してよい」。

 隣席に座った者には、このルールを適用してほしい……。

 そう思った、真冬の夜。