「おばさん」と「聖闘士星矢」
【「B」がイヤなら「A」!】
2017年現在、日本から「おばあさん」は消えました。
ポジションとしての〝祖母〟(ばぁば、おばあちゃん)はいても、お団子頭で杖をついた、〝おばあちゃんのぽたぽた焼き〟みたいなおばあさんは、もうどこにもいない。
いるのは、「おばさん」(現段階ではこう呼ぶ)です。
昭和の時代、女性の呼称は、10~20代が「お姉さん」、30~50代が「おばさん」、60代以降は「おばあさん」となっていましたが、現在は体感的に10~30代が「お姉さん」、40代~80代は「おばさん」という感じ。
80歳以降でも、唇がウメボシで、着物を着ていて、いかにもヨボヨボした「おばあさん」なんてほぼ皆無です。
同じ「おばさん」くくりでも、40歳と80歳では40年もの隔たりがあります。
この差異をならすため、~50代は「大人女子」、60代以降はようやく〝女子〟が取れて「大人」と呼んだりしますが、なんでこんなややこしいことになるかというと、それは「おばさん」という言葉の持つ蔑称感・おもしろ感・もの悲しさゆえ。
ばかにするつもりはなくとも、「おばさん」と呼ぶと、なんだか滑稽な響きが出てしまうのです。
たとえばファッション誌で、
「差し色を利かせて、クールなお姉さんっぽく!」
的な文言は、別にアリかと思われます。
でもこれが、
「差し色を利かせて、クールなおばさんっぽく!」
となると、とたんにおもしろくなってしまうのです。
クールなおばさん……。
また、「おばさん」あるいは「女子」という言葉に対する嫌悪感の違いも、事態を複雑にしています。
ある人が「スイーツは女子の心の栄養だよね♡」とか言うと、またある人は「いい年して女子とか言ってんなよ!」なんて言ったりする。そして、荒れる。
もう、なんとかならんものか……。
そこで思い立ったのがEnglish! 英語です。
英語で「おばさん」はaunt(アウント)ですよね?
「ステラおばさんのクッキー」(AUNT STELLA'S COOKIES)的な……!
ババア、BBA、おばさん……「B」がイヤなら、アウントの「A」でよくない?
【聖闘士星矢にあやかる】
「聖闘士星矢」というマンガがあります。
これは、女神アテナを守る聖闘士(セイント)たちの物語で、聖闘士たちは星座の守護を受けた聖衣(クロス)を纏って戦います。
聖衣には、青銅(ブロンズ)、白銀(シルバー)、黄金(ゴールド)などのヒエラルキーがあり、例えば青銅の聖衣を纏う者は「ブロンズセイント」と呼ばれています。
で、このたび私は、「おばさん問題」を「聖闘士星矢」にからめてしまえばいいと思ったしだいです。
割り振りは、こんな感じ。
○30代=ジュニアアウント(JA・ジュニアアウント)
○40代=ブロンズアウント(BA・青銅アウント)
○50代=シルバーアウント(SA・白銀アウント)
○60代=ゴールドアウント(GA・黄金アウント)
○70代以上=プラチナアウント(PA・白金アウント)
「まだ30代だけど、自分はアウントだと思ってる!」という人は、来たるべき本聖衣装着に向けた見習い「JA・ジュニアアウント」と位置づけます。
女性が重ねてきた年齢を、宝石のカラットに喩えた「40カラット」という舞台がありますが(※大地真央さん主演)、そんな感じの見立てですかね。
そんなわけで、私は獅子宮のBAであります。
今年もよろしくお願いいたします!